刑事の秘めごと~仮面編~
《枝真side》


「…あー…おい、灰。なんたってそんな距離があんだよ」

「…うるせー…構うな!!」

「あ!?感じわりぃな」


灰は部屋の隅に体育座りして俯いている。


お風呂から出てリビングに来てみれば、すでにこの状況だった。


「何だよお前。ま、いいけどよ…腹減った」


帰ってきてから何も食ってねぇし…。腹が鳴いてる。


「適当に食えば?」

「…………………」


いつもより覇気の無い声。灰の奴…。まじで体調悪いんじゃねーのか?


「お前、とりあえず風呂入ってこい。体調悪いみてぇだしよ、飯作っとくから」

「………………………」


返事が返ってこない。シカト作戦か!?


やっぱり体調が悪いんじゃ…。


少し心配になり、体育座りしている灰の前にしゃがんで顔をのぞき込んだ。


「っ!!!!?」

「…顔赤いな。やっぱり風邪か?」


風邪なら風呂は止めたほうがいいよな。飯食わせて安静にしてねーと長引くし。



< 138 / 222 >

この作品をシェア

pagetop