刑事の秘めごと~仮面編~
「…すげっ!!うまっ…」
「…お前…食うか褒めるかどっちかにしろよ」
そんな事を言いながらも、嬉しいと思っている自分がいる。
まさか……。自分の手料理を、誰かに食べさせる日が来るなんてな。
それが灰っていうのがムカツクが…。
こんなに喜んでもらうと、灰とはいえ嬉しいもんだな。
それから、夕食を終わらせて、そろそろ睡魔が襲ってきた頃…。
あたしと灰は、難題に頭を悩ませていた。
「……どうするよ」
隣にいる灰に目を向けると、頭を抱えていた。
「知らねぇよ!!答えがねぇから困ってんだろ」
「あ!?んなヒステリックに叫ぶなよ!!近所迷惑だろ!!」
「あいにく、俺はご近所付き合いには気を使わない主義でなぁ!!って…今はこんな事をしてる場合じゃねぇ…」
二人で大きなため息をついた。そう、その難題というのは、一つしかないベッドの事だ。