刑事の秘めごと~仮面編~
「…何で…何で誰も講義しない!!!」
許せない!!歪んでる…汚れてやがる!!
「逆らえないんです!!永山先生は…あの、永山財閥の御曹司なんです。皆、自分の会社を潰されてしまうのを恐れてるんです」
だからって…。こんなの…許されるわけねぇ…。
「僕の…親友が公開拷問に合いました。助けてって何度も僕に手を伸ばしたんです!!その手を取ったら……僕も公開拷問に合いました…。親友は拷問されたショックで死にました…。
…会社は、永山財閥に乗っ取られて…父と母は、プライドも捨てて働いています。僕が歯向かったせいです。永山財閥がいる限り、僕もこの学校から出られない……」
「………っ…何だよそれは…」
これは犯罪だ…。永山はこいつの親友を殺した。それも…最低な方法で…。
「…一人…闘ってたんだな…?傷付いて…それでもずっと頑張ってたんだな…」
思わず藤井を抱きしめた。藤井は涙を流してじっと抱きしめられていた。
「…大丈夫だ…。これは犯罪だ。あたしが何とかしてやる。…だから…」
藤井の眼鏡をそっと外して、涙を拭ってやる。
「あたしを信じろ。あたしが倒してやる」
「…そんなっ…そんな事したら石井さんが…」
「安心しろ。あたしは元々金持ちじゃねぇからな。ただの一般人!」
そう言って笑うと、藤井はまた驚いたように目を見開いた。