刑事の秘めごと~仮面編~


教室に戻ると、クラス中の生徒があたし達を驚いたように見つめていた。


あ……?何だよ。何でそんな驚いて………。


「ふ…じい…?」


隣にいた藤井は、目の前にいる人間を睨み付けていた。


その人物に視線を向ける…。


「…やぁ、ブライド。どうしたのかな?僕の授業に遅れるなんて…」


目の前にいる白衣の男…。こいつが…永山 久人…か…。


笑顔だが、これは作りモンだな。目が笑ってねぇ…。

しかも…こいつからは嫌な匂いがしやがる。


「…初めまして…永山先生。お会い出来て光栄だ」


「嬉しいねぇ…もう名前まで覚えてくれたんですね」

「あぁ…嫌いな人間の名前だからな」


笑顔で反すと、永山はわざとらしく眉を下げた。


「寂しい事言わないで下さいよ…。ブライド…」


こいつ…か…。あたしをブライドとか呼べって言ったのは…。




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