刑事の秘めごと~仮面編~
《枝真side》


「…んっ………」


頭がガンガンと痛む。まだ朦朧とする意識を無理矢理繋ぎ、目を開けた。


「…此処……は………」


酷く真っ暗な空間。物音一つさえしない。


とりあえず体を起こさねーと……。


―ガチャンッ

「あ!?」


手が何かに捕まっていて、使えない。そのせいで体が起こせない。


手首に触れる冷たい金属の感触から、あたしの持っていた手錠にかけられたのだと分かる。


手錠は、頭の上にある柱に括り付けられているようだ。


―ガチャンッ、ガチャンッ


何度も手を引っ張るが、ビクトもしない。


「…チッ…身動き取れねぇ…」


暴れるのわ止めて、頭をフル回転させる。


今出来る事はなんだ…?そういや…永山の奴は…。


暗闇にも目が慣れたので、周りを見渡す。





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