刑事の秘めごと~仮面編~


「…手錠…。普段人目に付かない所に隠し持ってたってのに……」


永山の奴…良く分かったな。というか……。


「刑事だってバレたんじゃ…」


手錠なんて持ってるくらいだしな。それに、永山は頭が切れる。気付いているだろう。


―バタンッ


「目が覚めたんですか?」

「…永山…………」



部屋に入ってきた男を、キッと睨み付ける。暗くて顔までは見えないが、そのシルエットと声は永山のものだった。


だがまぁ、手錠に繋がれた無力な女が睨んだところで、永山を煽るだけなのだが…。


「ブライド…その敵意剥き出しの瞳も、強気な態度も…私の見込んだ通りですよ…」


永山はゆっくりとこっちに歩み寄って来る。


意味分からねぇ…。つか気持ちわりぃんだよ…。


「ブライド…ブライドはお気づきですか?」

「…何をだ?」


永山は足を止め、そう尋ねた。




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