刑事の秘めごと~仮面編~
「…ブライドの意味と…私の正体です」
「…………は…?」
ブライドの意味…だと?外人の名前かと思ったぞ。
「やっぱり…刑事さんでも気付きませんでしたか…。これ程愉快な事はありませんね」
永山はくくっと笑った。
腹の底から怒りが沸き起こる。
犯罪犯してんのに…愉快なんて言って笑ってやがる。
こいつのせいで死んだ人間が…怯えている人間が…大切なモノを失った人間がいるってのに……。
「ブライドというのは、あなたの名称ですよ」
あたしの怒りに気付いているのかいないのか…。それでも永山は面白そうに語る。
―カツン…カツン…
永山は、止めていた歩みをまた進め、あたしの真横に立った。
「…お前はっ!!!」
今はっきりと永山の顔が見えた。
仮面を付けた永山が…。
「ブライド…花嫁という意味です。私の花嫁……」
花嫁………。
「まさかっ…お前はあの手紙の……仮面の…君…?」
ブライド…英語で花嫁だ。こんな事に気付かなかったなんて…刑事失格だ。