刑事の秘めごと~仮面編~
「女は汚れている…。人を惑わし、利用し…裏切る。彼女達は、皆に望まれて殺されたのですよ。女の手によって不幸になった男達の依頼で粛清したんです」
「…依頼…だと……?」
「…私の同志達は、一つの目標をかかげました」
あたしの問いには答えず、永山はたんたんと喋る。
「この世の汚れを掃除する事を…。女の上に立つ社会を…復讐も込めて。勿論、あなた以外の女の話しです。あなたは…普通の女とは違う」
永山は、あたしが横たわる机に片足を乗せ、覆い被さってきた。
「あなたも…私と同じなのでしょう…?」
「…どういう…意味だ…?」
永山は顔を近付けてくる。それも、永山の前髪が、あたしのおでこに触れるくらいの距離だ。
「…あなたの妹を辱め、殺した男に復讐を果たす為に…あなたは刑事になった」
「っ!?」
どうしてそれを……。どうして…。
それは、あたしとリーダーだけの秘密だった。刑事という正義の見方の裏に隠れる、犯罪者となんら変わらない復讐心と殺意の影。
それを…この男は知っているんだ…。