刑事の秘めごと~仮面編~
「…うぅっ……………」
「…またか…。またうなされてんのか…?」
そう尋ねても、返事なんて返ってはこない。
苦しげに眉間にシワを寄せ、何かに怯えて震える枝を抱きしめる。
せめて…夢の中だけでも安らかに眠らせてやりたい…。
「枝真…大丈夫だ………」
俺はこの時、初めて枝の名前をちゃんと呼んだ。
腕の中で震えるこいつを…守りたいとさえ思う。
今まで…こいつに対して抱いた事の無い感情だった。