刑事の秘めごと~仮面編~
《灰努side》


「…んっ…朝…か…?」


目が覚めると、少し寒かった。理由は、腕の中で眠ってるはずの、枝真がいないからだ。


「…枝…真…?」


慌てて体を起こして、部屋中を探しまくる。


トイレ、お風呂場、台所…。どこを探しても、あいつの姿は無かった。


「…嘘…だろ…………」


嫌な考えがいくつも頭を過ぎる。


「くそっ…何処行きやがった!!」


スーツに着替えて、部屋を飛び出した。


元気になって、また仕事に戻ってるのかもしれない。


そんな願いを込めて、車のハンドルを握る。


その手には、汗がじっとりと滲んでいた。




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