刑事の秘めごと~仮面編~
「…朝…目が覚めたら…いなくなってた…。わりぃ…俺がちゃんと見ててやれば…」
「…灰努のせいじゃない…。枝真の傷が深すぎたんだ。必死に自分を保って…少しでも触れれば崩れてしまうほど不安定だった…」
リーダーは悲しそうに窓の外に広がる空を見上げる。
「…もしかしたら…枝真は、あそこにいるかもしれない。枝真の全てを変えてしまった…あの家に…」
「…家……ですか…?」
一体どうして…。あいつは何を抱えて今まで生きてきた?
リーダーは何を知ってる?誰も知らないあいつの過去に…何があった…?
「…探しに行きます…」
俺は車のキーを握りしめ、リーダーを見つめた。
リーダーは強く頷く。
「…今日は事件も無いし、報告書なんていつでも出来ますしね!」
ミノは笑顔で上着を羽織った。
「…いや、あの馬鹿に全員半分ずつ仕事をやらせればいい」
キツイ事を言いながらも、凍海は笑顔を浮かべている。
「…迎えに…行ってやらないとな」
俺の一言で、全員が一斉に頷いた。
俺達は、枝真がいるであろうあの場所へ向かって走り出した。