刑事の秘めごと~仮面編~
菜野香はモテる。長くて天然パーマの髪、くりくりした瞳、長い睫毛に形の良い唇…。
決してあたしと姉妹だなんてありえないくらい似ていないが、皆菜野香の美貌に騙される。
実は…暴力女だ。笑顔の裏で何を考えてるか分からない。
「…菜野香には勝てないよ…」
「へへんっ♪」
偉そうに腰に手を当てのけ反る菜野香の脇をくすぐった。
「調子に乗るな!この野郎っ!!」
「あっははははっ!!やめっ!!お姉っ…あははははっ!!」
しばらく戦っていると、部屋の扉が勢い良く開いた。
「枝真…菜野香…」
そこには、プルプルと肩を震わせる鬼…じゃなかった、母がいた。
「…やべーな………」
「……さよなら…あたしの人生…」
二人でそう呟いた瞬間ー…。
「もう登校時間とっくに過ぎてるわよ!!!!」
―ゴチンッ
「「うがっ!!?」」
頭の上にげんこつが落ちてきた。まさに天罰だ。