刑事の秘めごと~仮面編~
「…お前がいなくなった時、心臓が止まるかと思ったんだぞ…」
灰は怒りを表にしていた。その矛先は、勿論あたしに向いている。
それでも…それを不愉快だとか、腹を立てる気にはならなかった…。
灰や皆には悪いと思うが、嬉しかったんだ…。
誰かに、こんなに必死に探してもらえて…心配してもらえて…。
「わりぃ…ありがとう…」
素直にお礼を言って、軽く頭を下げた。
「心配かけたな…。もう大丈夫だ!短すぎる休暇の賜物だよなぁー」
おちゃらけたように言うあたしを見て、皆はため息混じりに微笑んでいた。
「その分の仕事はちゃんと残しておいた。お前がいない間に起きた事件は12件。まず始めに通り魔殺人事件、被害者は無職で…」
「凍海先輩!!ここまできて仕事の話しなんて止めましょうって」
長々と永遠に語るだろう凍海をミノはすかさず止めた。
勿論、話し始めたら永遠にエンドレスなので正直助かった。
NICE!!ミノ!!
つい叫んでしまったこの一言。あれを止められるのはミノしかいない。