刑事の秘めごと~仮面編~


「どうしたんですか?灰努先輩」

「何でお前こいつの言葉分かるんだよ!!こいつ、ほぼもぐもぐしか言ってなかったぞ!!!?」


灰は「ぜーはーっ」と肩で息をしている。


そんなに驚く事か?ってか、あたしはちゃんと喋ったぞ!?


「むごごむぐむがもぐもくまむが!!」


訳:お前の耳は偽物か!!


「あ?何言ってんのか分からねぇよ!!」

「お前の耳は偽物か!!…だそうですよ」

「…お前…何者…?」

「嫌だなぁ〜…僕はただの功橋 実典ですよ!」


ミノは周りに小さな花を咲かせるような可愛らしい笑顔を浮かべた。


「………………」

「………………」


あたしも灰も無言で見つめ合う。多分、以心伝心していると思う。


"普通じゃない!!"


でも、ミノの笑顔の前では互いに言葉に出来ないのだった…。




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