刑事の秘めごと~仮面編~
「そうだったのですか。これは失礼を、初めての舞踏会にこのような所で時間をとってはもったいないですね。どうぞ、中へ」
笑顔を浮かべて男はあたし達を中へと入れてくれた。
「ふぅ〜…」
心臓止まるかと思ったな。無事入れて良かったー…。
「お前…やる時はやる奴なんだな」
あたしは、小さな声でそういう灰をキッと睨みつける。
「あたしはいつでもエブリデーでやる奴なんだよ!!それに比べて、お前はやるときにやれないヘタレだな。今日からヘタレはお前の代名詞だ」
視線は前に向けたまま、笑顔を浮かべて言い放つ。
「お前………」
「あら、文句がありまして?」
「…………………」
隣にいる灰に笑顔を向けると、ズーンという効果音が聞こえてきそうなくらい落ち込んでいた。