刑事の秘めごと~仮面編~
「お集まりの皆様。今日は永山財閥の仮面舞踏会への参加、ありがとうございます」
声が聞こえた方へ視線を向けると、舞台の上に永山が立っていた。
―パチパチパチ
周りから沢山の拍手が沸き起こる。
「それではまず、ダンスパーティーとしましょう」
そう言って永山が二度手を叩くと、優雅な音楽が流れた。
♪〜♪〜♪〜
「…おい。聞いてないぞ、ダンスなんて」
「俺だって聞いてねぇ!」
二人、小声で言い合っていると、踊り始めないあたし達を周りの人間から不審な目で見つめられた。
やべぇな…。とりあえず適当にやっときゃいいか。
「やんぞ」
「はっ?」
ーグイッ
あたしは灰に身を寄せて無理矢理手を握った。