刑事の秘めごと~仮面編~


「いよいよね!!」

「あぁ〜っ!!!
早く始めてくれ!!」



会場が異様な程賑わう。周りを見渡すと…。


何だ…こいつら……。目が普通じゃねぇ…。


「…灰…こいつら…」

「あぁ…イカレてやがる」


灰と一緒に舞台を見上げた。舞台上の永山は、ニタリと笑い布に手をかける。



永山…何を企んでやがる…。これ以上何をしようって言うんだよ…。


―バサバサバサッ


「…っ!!!?」

「…嘘…だろ……」


布を外したそこにあったのは、箱に括り付けられた裸の女性…。


女性はピクリとも動かず、生きているのか死んでいるのかも分からない。


ワナワナと肩が震える。あたしは永山を睨みつけた。

―ギュッ


今にも殴りかかろうとしるあたしの手を、灰が握った。


「…大丈夫だ…」

「…灰………」


灰の手が温かい……。自然と気持ちが落ち着く。


…あぁ…。私も刑事失格だな。何事にも冷静になれ、今目の前の事に同様するな。


自分に言い聞かせ、胸元の拳銃に触れる。








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