刑事の秘めごと~仮面編~


「今日行うのは、罪深きこの女性に制裁を!!!」


永山の一言で会場に歓声が巻き起こる。


「…狂ってやがる…」


狂ってる…永山も、此処に集まった金持ち達も。


「今夜皆様には私の芸術的アートをご覧いただきます!」


永山は5本のダガーナイフを手に、狙いを女性へと向けた。


永山がナイフを振り上げる。胸元から拳銃を抜き、狙いをナイフへと定める。


「…ボス、発砲の許可は?」


出来るだけ小声で、胸元の通信機に声をかける。


「上からの許可は出ている。…気をつけろよ」


返事はすぐに帰ってきた。いつものおちゃらけた雰囲気は無く、真剣な声で…。

「はい」


銃を持つ手が震える。それを必死に抑え込み、狙いをもう一度定めた。









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