刑事の秘めごと~仮面編~
―カタカタカタカタッ
「わっ…先輩早いんですねー……」
ミノが関心したようにあたしの手元をのぞき込んでいた。
「ミノ、凍海の手元を見てみろ…」
ミノの耳元でそう呟くと、ミノはゆっくりと凍海を見た。
―カタカタカタカタッ…カタカタカタカタッ…カタカタカタカタッ
「……………………」
「…あれこそこの世の生き物とは思えないだろ?」
ミノは無言で頷いた。
凍海はピアノを弾くより速くキーボードを叩く。
それも信じられないスピードで。
「…聞こえてるぞ…枝真…」
―ギクッ
聞こえてたか…地獄耳!!堅物男!!
「残念だが俺は地獄耳でも堅物男でも無い」
「…心の中読んだのか…あいつ………」
こうまで言い当てられると、さすがのあたしもびっくりだぞ。