刑事の秘めごと~仮面編~


「…枝真先輩、枝真先輩!」


今度はミノが耳元で呟いた。


「先輩、たまに考えてる事が口に出てますよ。でも、口に出さない時は顔に出てますけどね」


「…………ひょえぇぇっ!?」


まさか…自分で没穴を掘っていたとはっ……。


なんたる失態!!自分で口に出してるつもりねぇーのに!って…顔に出るって…どうやって……?


「…お前の思考は筒抜けだ。観念するんだな」


いつ立ち上がったのか分からない凍海が、あたしの隣に座っていた。


「何であたしの隣に座るんだよ。暑苦しい」

「さぁな。自分で考えろ」


それっきり隣で仕事を始めた凍海に何も言えず、あたしはミノの仕事を手伝った。


―カタカタカタカタッ


何だよこの状況…。夏だというのに、左に凍海、右にミノ……。


何かの嫌がらせか…?




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