刑事の秘めごと~仮面編~
「やぁ〜眺めいいね〜!!」
「これはなかなかだ…」
「温泉街も賑わってましたしね!」
「……………………」
「……………………」
案内された部屋のそれはもう美しい景色に、リーダー、凍海、ミノの順にコメントする中、あたしと灰は黙り込んでいた。
「ちょっとー…君達!!いい加減に仲直りしなさい!暗いよ!」
そう、あたしと灰は朝、顔を合わした瞬間から口論が始まった。
きっかけは何だったか…。それすら分からない。
仲直りもなにも…嫌いなもんを好きになれって方が無茶だ。
「…フンッ…何で仲直りなんてしなきゃいけないんすか。俺等は別に喧嘩してるわけじゃないっすよ、生理的に受け付けないだけっす」
「あぁ、気になるようだったら視界からシャットアウトしてもらっていい」
お互い目を合わせずに言い放った。
「…餓鬼だな……」
「平和な証拠ですよ!確かに迷惑極まり無いですけど」
凍海とミノに散々言われているが、腹は立たない。今は隣にいる灰にだけ殺意が芽生えている。