刑事の秘めごと~仮面編~
それでいい…あたしに近付いて来い。
「良い体してんなぁ〜姉ちゃん」
何処かの不良かあんたは!!くさいんだよ台詞が!!
カッターを向けて、よろよろと近付く親父とあたしを、周りの女性は交互に見ていた。
こいつの注意をあたしにだけ向ければ良い。
「ほらータオル取れぇ〜」
「分かった。言われた通りにする」
あたしはタオルに手を掛けた。それが外れるのを今か今かと待つ男のカッターを持つ方の手が、下に下がった瞬間ー…。
―バシッ
身につけていたタオルで男を叩いて、蹴りを入れる。
―ズコッ
「オラァッ!!」
―パシンッ
男の手首にチョップをかまして、カッターを落とす。
男を地面に押さえ付けて、手を後に捩り上げた。
「いてててててっ!!!!」
「変態酔っ払い親父!!今すぐ逮捕してやる!!」
あたしを狙ったのが運の尽きだな!!
ふはははははっ!!