刑事の秘めごと~仮面編~
「…ふぅ!一件落着で何よりだ」
パトカーに乗せられた酔っ払い親父を見送って振り返ると、特捜の奴らがいた。
「いやぁ〜。悲鳴があった時は何事かと思ったけど、枝真が逮捕してくれて助かったよ」
リーダーがあたしの頭をポンポンと撫でた。
悪い気はしないが…。子供扱いだなこれは。
「まさか此処まで来て事件なんて困ったもんですね」
「刑事の性だ」
「全く…あの変態酔っ払い親父…。もう少し殴っときゃ良かった」
あたしの裸を見たんだ。逸れ相応の代償を払えってんだ。
「お前の裸なんて減るもんじゃねぇーだろ」
―ブチンッ
灰の言葉でまたしでも決して大きく無い堪忍袋の緒が切れた。