刑事の秘めごと~仮面編~
―バタンッ
「…駄目だな…こんなんじゃ…」
いつも菜野香と重なってしまう。その度に仕事に差し支えてるんじゃどうしようもない。
あの子……まだ14歳だったな。菜野香と同じ…。
「…はぁ…全く…刑事失格だなこれじゃあ…」
もっと自分を強く持たねぇと…。いつ抑え切れなくなるか分からないからな。
今だって…こんなザマだ。
頬に伝う涙をガシガシと着物の袖で拭った。
女湯ののれんをくぐって服を脱ぐ。
あたしの体には、数えきれない程の傷や痣が沢山ある。