刑事の秘めごと~仮面編~
―チャポン…
「…まただ…また考え込んでる。くそっ…」
温泉に浸かりながら両手で顔を覆った。
「…菜野香ー…」
お姉ちゃん…弱くてごめんな…。もっと強くなるから…。
それまでは…。誰にも気付かれないように泣くから…。
―ガラガラガラ…
「…っ!?」
一人泣いてる所に、誰かが入って来た。慌てて背を向ける。
まさかこんな時間に入ってくる人間がいるとは思わなかったから、少し気が緩んでたな。