刑事の秘めごと~仮面編~


「あふっ…んぁ…」


酸素を求めて口を開ければ、それをさせまいと灰の舌が暴れ回る。


すでに何も考えられなくなっていた。抵抗する力すら残っていない。


「…あっ…止めっ…」


灰の手が、開けた浴衣から出るあたしの太股を撫でた。

ビクッと体が震える。


「止め…ろっ…んっ!!」


何度止めさせようとしても、抗議の言葉すら灰に口を塞がれて言葉に出来ない。

灰も少し息が荒い。あたしの前髪を、灰の吐息が撫でる。


灰がもう一度あたしの唇に食らいつこうとした瞬間ー…。




< 83 / 222 >

この作品をシェア

pagetop