刑事の秘めごと~仮面編~
―ドカッ
「ぐはっ!!」
何かの鈍い音と、うめき声が聞こえた瞬間、あたしに覆いかぶさっていた灰が消えた。
「…全く…。盛りの犬か?行為をするなら相手の了承と、場所を考えてからにしろ。今のお前はそこら辺の暴行犯と同じ罪を犯したんだぞ」
この冷え切った声と柔軟性の無い頭の持ち主は…。
「凍海…か……?」
乱れた浴衣も直さず、体を起こす。そこには、床に寝ている灰と、それを踏み付ける凍海がいた。
「お前が出て行った後、こいつ、やけ酒をしてな。盛りの犬へと変貌したというわけだ」
こいつ…酒飲んでたのか…。でも……。
『お前…何隠してる?』
あれは、本心から聞いた言葉だ。