刑事の秘めごと~仮面編~
「…部屋まで送ろう。また違う犬がお前を食いにくるかもしれないからな。勿論、俺はそこら辺の犬と違って自制出来るから安心しろ」
凍海はあたしの腕を掴んで引っ張る。
「…あいつ…あのまま放置か?」
「良い酔い覚ましになるだろ。それより…」
あたしに向き直った凍海が、耳元に唇を寄せてきた。
「乱れた浴衣がそのままだ。さすがの俺も…理性を保てなくなる。早く直せ」
「なっ!!言われなくても分かってら!!」
顔が真っ赤であろうあたしを、凍海は不敵な笑みで見ていた。
ケッ…気にくわねぇ…。凍海の野郎…ぜってぇからかってやがる。
灰の事も気になったが、今は考えない事にしよう。あんなキス…キスのうちに入らねぇ!!
それから凍海に部屋まで送ってもらい、布団へ潜った。
先程の事で疲れていたのか、すぐに眠りにつけた。