刑事の秘めごと~仮面編~


「刑事に法を裁く権利は無い」


また新しい奴の登場だ。低血圧なのか、朝はいつも眉間にシワを寄せている。


「…凍海…またあたしの心の中のぞいたのか?何でお前はそう頭が固いんだよ」

「事実を言ったまでだ。それに、俺はお前の心の中をのぞいたのではない。表情、動作から正確な思考と…」


「凍海先輩!今日は車じゃないんですね!」


凍海の堅苦しい話がスタートする前に、ミノが上手くかわした。


「あぁ。毎日車通勤をしていると、普段動かさない体全体の筋肉に良くない影響を……」

「凍海先輩…………」


ミノの努力も虚しく、署に着くまで凍海の『筋肉衰退理論』を永遠と聞かされる羽目になった。




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