刑事の秘めごと~仮面編~


「…枝!!無事か!?」


物凄い血相で走ってきた灰の顔を見て、つい笑ってしまった。


「…平気だ。それより…さみぃ!!」


体をさすると、すっかり冷え切っていた。


いくら夏だからってタオル一枚はキツイよな。


「枝真先輩〜っ!!!」


旅館の人との話が終わったのか、ミノが手を振りながら駆け寄って来た。


それに続いて凍海とリーダーも歩いて来る。


「よぉ!!お疲れさん!」


ミノに笑顔を返すと、呆れ顔の凍海と、言葉を失ったリーダーがあたしを見つめていた。


「…お前っ…馬鹿か!!」


灰は慌ててスーツの上着を脱いで、あたしの肩にかけた。




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