刑事の秘めごと~仮面編~
FILE②
仮面再び
「…どういう事だよ…」
「…俺が聞きてぇくらいだ…」
あたし達は言い合う気力すら無く、ただ目の前にある忌まわしい仮面を見つめていた。
「犯人…捕まえただろうが…。何とか言えよ…灰…」
「知らねぇよ…。解決してなかった…って事か…?」
そう、あたし達の前に広がるのは、真っ赤に敷かれた血のカーペットに、仮面を被った女性の遺体…。
殺され方もあの時と同じで、背中からざっくりと刃物で切られている。
「…また女性ですね…」
「仮面もある。殺し方といい…同一犯だと見て間違い無い」
ミノと凍海の言葉が頭に入らない。
あの時…。もっと…ちゃんと捜査をしていれば…。
―ポンッ
俯いていると、リーダーがあたしの頭に手を乗せた。