それが恋だと知ったから。
期待を持たせるような事は、
したくないから。



「わぁー、今日も冷たいね!」



そう言って笑う。



「ご用件"だけ"お聞きします。」



私がそう言うと、
彼は微笑んだ。



「本気で考えて?
俺も本気だから。」



そう言った彼の瞳には、
悲しみで満ちていてすぐに返事はできなかった。



時々こんな顔をする彼に何があったのか。



私は知らないし、聞かない。
< 21 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop