それが恋だと知ったから。
「はい?」



「だーかーらー!
私の好きな人に会いに行くの!」



突っ込みたい所はたくさんある。



まずは、
何で私もついていかなくちゃならないのか。



次に、
雛乃に好きな人がいたのか。



「私、行かない。」



そう言ってまた布団を被る。



「お願い!
どうしても一人じゃ勇気でなくて…」



すぐそばで聞こえる雛乃の声が、
あまりにも弱々しくて、
ついつい私は顔を出した。



「沙羅しか頼める人いないから…」



今にも泣き出しそうな雛乃を見ると、
私は頷いてしまった。
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