黒猫*溺愛シンドローム
「どうしよっか?何する?」
私を膝から下ろして…それでもしっかり隣に座らせて手を握って……
王子は無邪気に悩んでいる。
「自己紹介…って今さらか?あ、でも、俺、浅海さんについて、まだまだ知らないことだらけなんだよなぁ」
……もうイヤ。
この“空気が読めない”マイペースぶり。
誰か何とかしてよ。
「まぁ、先は長いし、追々知っていけばいいか。
あとは…あ!しりとりでもする?トランプ…はないしなぁ。」
コイツの頭の中は、一体どうなってるわけ?
今時、小学生でもそんな発想しないでしょ?
「じゃあ…」
数々の“天然発言”を適当に聞き流しているうちに、だんだん眠くなってきた。
思えば、私は寝るつもりだったんだよ。
貴重な睡眠時間。
コイツのせいで、一瞬眠気が飛んでたけど……
再び舞い戻ってきた睡魔は、徐々に侵食してきて…ついに、瞼が降りてきた。
そんなとき。
「……じゃあさ、
キスでもする?」