黒猫*溺愛シンドローム




「いつもより、甘い味を期待してたんだけどなぁ。」


「……はっ?」



ようやく私を解放した、王子様の第一声。



「まぁ、いっか。気持ちよかったし。これ以上、甘くなっても厄介だしね。」


「ちょっ…なっ…」



そう言うなり、またしても顔を近づけてきて。

私の唇をペロリと舐めて、妖しく微笑む王子…じゃなくて“変態”。



「…な…なっ……」



私は、真っ赤になって口をパクパクさせることしかできなくて。



「可愛いーっ」



そんな私を見て微笑みながら、そっと頬を撫でてくる“変態”。

その手を振り払おうとしたものの……



「……やっ」



逆に引っ張られて……



「離してーっ」



腕の中に収められてしまった。



「それは無理。」



バタバタ暴れてみても、ぎゅーっと抱きしめられて、簡単に動きを封じ込められてしまう。



「……さて。キスもすんだし、もう寝よう?ずっとこうしててあげるから……」



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