黒猫*溺愛シンドローム
「……はっ?“つき合ってる”?誰と誰が?」
「俺と、浅海さん?」
「はいっ?」
目をまん丸にして俺を見ている彼女は、“根本的な”噂をまだ知らないみたいだ。
「だから、気にしなくて大丈夫だよ?」
にっこり微笑みかけて、
俺はそっと彼女の身体を引き寄せた。
そして……
「……っ」
さっきの続き。
真っ白な首筋に、ガブリとひと噛み?
「痛っ……」
顔を歪める彼女の頬に、やさしいキスを落としつつ、
「ついちゃった。」
くっきり浮き出た紅い跡を指でなぞった。
なんだかすごい満足感。
俺のもの、って感じ?
「……もう、嫌。」
力なく項垂れる彼女を腕の中に引き寄せて、俺はぎゅっと抱きしめた。
明日になったら……
“嘘”と“噂”が結びついて、
ものすごい効果を生み出してくれるに違いない。
それが“真”になる日も、
そう遠くはない……よね?