黒猫*溺愛シンドローム
「コレって……」
「頼まれてたやつ。
遅くなって悪かったな。なかなか、見つからなくてさ。」
申し訳なさそうに謝る修ちゃんから渡されたのは……
「アルバム?」
小さめの、保管用って言うよりも携帯用って感じのやつだけど、
パラパラとめくってみれば、中に収められているのは間違いなくスナップ写真の数々……って、コレ!
「アイツ、子供のときから“写真嫌い”でさ。
カメラ向ければ逃げるし、撮っても気に入らなければ捨てちゃうし……
写真自体、あんまり残ってないんだよ。」
おそらく年代順に、きちんと整理された写真たち。
最近の…じゃなくて、ちょっとだけ昔の……
「とりあえず、俺が持ってるのはこれで全部だから。
あとは、くるみにでも聞いてみな?」
「ありがとう!修ちゃん!」
思わず、その手をガバッと掴んでしまった俺に、
「……おまえさ、さっきの話聞いてなかっただろ?」
修ちゃんは、またもや呆れてたけど……気にしてなんかいられない。
だって……
「やっぱり、浅海さんは昔から可愛かったんだね。」