黒猫*溺愛シンドローム


「どこ、って……」



基本的に全部、なんだけど。

いや、でも、今はそんなことを正直に答えてる場合じゃなくて……



「修ちゃんって、彼女いるんだよね?」


「……は?」



いきなり何?って顔をしてるけど、ここは重要だ。



「修ちゃんの彼女って“カワイイ系”?それとも“キレイ系”?」


「え?んー…中間、あたり?」



戸惑いつつも、律儀に答えてくれる修ちゃん。

でも、イマイチ核心には至らないなぁ。

よし、それなら……



「じゃあさ、タイプ的には、浅海さんとくるみちゃん…どっちが好き?」



直球で聞いてみよう、と思った…のに。



「はぁっ?…って、あー…そっか。悪い悪い。俺の言い方がマズかった。」



一瞬、思いっきり顔をしかめたものの、すぐに何かに気づいたようで、



「そんな必死になんなくても大丈夫だから。」



楽しそうな笑みを浮かべる修ちゃん。



「俺、アイツらをそういうふうに見たことない…って言うか、見られないから」

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