黒猫*溺愛シンドローム
「…やっ」
……案の定。
重なった唇。しかも……
「……んーっ」
私、これでも“病人”だよ?
なのに、なんで……
いきなり、こんなキスするわけ?
まるで、私の全てを奪い尽くすような…熱くて深いキス。
息をする暇もないくらいに、絡みついて離れない。
……って。
私ってば、何冷静に考えちゃってるの?
まず、抵抗でしょ?抵抗……できない。
それどころか……
「……浅海さんも。ようやく、“その気”になってくれたんだね?」
それに気づいたヤツは、
一旦唇を離して、満足気に…妖艶に微笑んだ。
「……え?」
ぼーっとしたまま、その瞳を見つめれば、
「熱が出ると、素直になるんだね?」
再び近づいてくる顔。
「風邪はもちろんだけど、一緒に…浅海さんももらっちゃおうかな?」
明らかに“危険”だ。
わかっているのに……
私は
目を閉じて、
“王子様”の首に回した腕を、自ら引き寄せた。
これは絶対、
熱のせい、なんだから!
See you...?