黒猫*溺愛シンドローム




……迎え?



「浅海さん、最近遅刻が多いでしょ?
相変わらず授業にもあんまり出ないし…このままじゃ本当にヤバイからね。」


「……は?」


「補習どころか、留年の危機だから。」


「……っ」


「先生に何か言われる前に生活態度を改めて、危機を回避しておかないと。」



……確かに。


最近、寒くて朝起きられなくて。

午後から登校→そのまま保健室…ってこともよくあったけど……



「だから、これからは毎朝俺が迎えに来るから。」


「はっ?なんでっ?」


「だって、そうすれば一石二鳥でしょ?」



あくまでマイペースに話を進めていく。

なんか…会話が噛み合ってるんだかどうかもわからなくなってきた。



「浅海さんは遅刻しなくなるし、俺は……

朝一番に、誰よりも早く“好きな子”に会えるし…ね。」



そう言って、

“王子様”は、朝から爽やかに微笑んだ。


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