黒猫*溺愛シンドローム



「ハイ、朝ご飯だよ。」



“召し上がれ”とでも言わんばかりに、テーブルの上に置かれたプレート。

と、紅茶のカップ。


どちらも、ほわほわと湯気が立ち上ぼっていて…って、いつの間に?



「ほら。そんなところに突っ立ってないで、早くこっちにおいでよ。」



にこにこしながら、私を椅子へと促す王子。

ここは私の家だし?

逃げるわけにも無視するわけにもいかないから、仕方なく足を運べば……



「何、コレ?」



並べられた、これぞ“ブレックファースト”的なメニューにびっくりだよ。



「あ、もしかして浅海さん、朝は“和食派”だった?
ごめんね?今日はこれで我慢してくれる?」



呆然とする私を見て、勝手な解釈をしてくれちゃったみたいだけど……



「……これ、アンタが作ったの?」



うちの親がこんなことをするわけないから、それ以外考えられないわけだけど…



「え?うん。キッチン借りて…」



“王子様”はお料理もできるんですか?


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