黒猫*溺愛シンドローム
……そう。
今は、ちょうど夕飯時。
そして、ここはくるみの家。
うちの親も仕事だし。
くるみの親は旅行中。
料理のできない私たちは、飢え死に寸前(?)で修司に助けを求めたわけで……
「ホント、信じらんないよな?高校生にもなって、米すら炊けないなんて」
はあっと、盛大なため息をつく修司に、
「失礼なっ。くるみ、ご飯くらい炊けるよっ。…ただ、お水が冷たいからとぎたくないだけだもんっ」
かなり自分勝手な主張をするくるみ。
「だったら、何か買いに行くなり外食するなりしろよ。うちのチビどもだって、誰もいなけりゃ勝手に作って食ってるぞ?」
お前ら小学生以下だよな、と。呆れたように呟いて。
「そんなんじゃ、そのうち“彼氏”に捨てられるぞ?」
冷ややかに言って、カチッとコンロの火を止めた。