黒猫*溺愛シンドローム




「修ちゃん、ひっどーい!
くるみは大丈夫だもんっ。新ちゃんは、くるみを捨てたりしないもんっ」


修司の言葉に、ぶーっと頬を膨らませて立ち上がるくるみ。


「どーだか。先輩だって、いい加減、お前の“子守り”にも疲れてくる頃だしな。」

「子守りじゃないもんっ」

「世話するよりも、世話されたくなるんじゃない?」

「むーっ!」



……始まったよ。

この2人、昔っからこうなんだよねぇ。

普段は仲良くやってるくせに、一旦もめるとこれだから面倒くさい。


元はと言えば、くるみが“空気を読めない”のがいけないんだよね。

明らかに、今日の修司は不機嫌だったのに…無理矢理頼むから。




……はぁっ。
早く終わんないかなぁ。

お腹すいたんだよねぇ。



「……ね?風歩ちゃん!」


「へっ?」



急に同意を求められても…聞いてなかったし。



「あー、風歩の場合は心配ないだろ。」


「…はっ?」


「歩は、それでいいって言ってたから。」



……何の話?


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