黒猫*溺愛シンドローム
「だよなーっ?俺もそう思った。」
「ねー?」
「あんなモノズキ、そうそういないぞ?アレを逃したら、風歩は一生独りだな。」
「あゆちゃんってお誕生日いつ?18歳になったらすぐ出せるように“婚姻届”もらっとこうよ?」
「お!いいね。くるみ、今から行くか?」
「うん!」
………おい。
ついさっきまで、2人はケンカしてましたよね?
なんでいきなり結託してるわけ?
しかも、人の話題で盛り上がりやがって。
って言うか、何?その話。
あの男…私がいないところで何を言っちゃってるの?
しかも……
「何もしないで、帰りを待ってればいい」って。
それって、“ペット”だよね?明らかに。
……おかしいでしょ?
「よし、行こう!」
しらける私をよそに、いそいそと玄関へと向かう2人。
「ちょっ…」
ホントに行く気?
って言うか、この時間にもらえるの?
……じゃなくてっ。
「くるみっ!修司っ!」
声を張り上げた…とき。
―――ピンポーンッ。
インターホンが鳴った。