黒猫*溺愛シンドローム














―――――……

――――――――――……








「朝だぞーっ!」






――東の空がようやく明るみ始めた頃。

家中に響き渡ったバカでかい声と、ドアが開く音。


「起きろーっ」


ズカズカと踏み込んでくる足音が聞こえたかと思ったら、窓際のカーテンがシャーッと引かれて。

“眩しい”なんて思う暇もなく、引き剥がされた掛け布団。

……寒っ。
ぶるっと体を震わせて 、体を丸めたのも束の間…


「ほらっ!起きた起きたっ」


ぐいっと腕を引かれて、私はいとも簡単に眠りの世界から呼び起こされてしまった。


「………なにっ?」

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