黒猫*溺愛シンドローム
「もっと女の色気を磨かないと、いつまでたっても男なんてできないぞ?少しは……」
――ピンポーン。
お兄ちゃんの言葉を遮るように、高らかと鳴り響いたインターホン。
「誰だ?こんな朝っぱらから…」
顔をしかめつつも、機敏に玄関へと向かう。
……アレ?えーと…
「……?!」
止まっていた思考が動き始めて、突如、脳内に警告アラームが鳴り響く。
……ヤバイ。
すっごくヤバイっ。
「お兄ちゃんっ、いい!私が出るか…ら…」
慌てて追いかけたものの、時すでに遅し……
「ドチラサマ?」
お兄ちゃんの向こう側。
玄関に立っていたのは……
嵐が来る――。