黒猫*溺愛シンドローム
そんなとき。
彼女に出会って、興味を持って。
触ってみて、自覚した。
俺は彼女が“好き”なんだって。
たぶん、彼女“しか”好きになれないんだ。
だったら、
手に入れるしかない。
これは“運命”だからね。
俺にとって、彼女が“たった1人の”存在ならば、
彼女にとってもそうに違いないから。
結ばれるのは、時間の問題なんだよ?
「……外見は完璧だけど、」
ダイスケの声で現実に引き戻される。
あ、そうだ。まだ話の途中だったっけ。
さらりとした髪の触り心地とか、柔らかい唇の感触とか……まで思い出してしまったせいで、
うっかり、自分の世界に浸るところだった。
「浅海は、中身に問題大アリだからな。」
「……へ?」
「いくら美人でも、あんなに扱いにくい女、男はお断りだよ。」