黒猫*溺愛シンドローム
クラス委員でもあり、生徒会役員でもある“王子様”は、
生徒のみならず、先生たちからも絶大な支持を受けていて……
なんだかんだ頼まれ事をされることもしょっちゅう。
「資料室の整理、手伝ってもらえないかな?」
今日も何やら引き受けてきたらしい。
……まぁ、それによって点数は稼げるし、他の生徒よりも優遇されてることは確かなんだけど、ね。
「……なんで、私?」
これは新しいパターンだ。
頼まれた“雑用”に私をつき合わせようとするなんて。
断られるのを知りながら誘うほど、王子様はバカじゃない。
って言うか、“頭脳犯”だから。
いつも、私が断れないようなギリギリのところで攻めてくる。
「1人じゃ絶対に無理だから、誰かに手伝ってもらえって言われたんだ。」
「だったら、他を当たって。」
あんたの頼みなら、誰だって喜んで聞いてくれるでしょ?
「……やっておいたほうがいいと思うけどなぁ。」