黒猫*溺愛シンドローム




当たり前でしょ!


猫と一緒にされちゃ、たまんないよ。


言いたいのに、言葉が出てこない。



「あー…なんかもう、放したくなくなってきた。」



私が黙ってるのをいいことに、勝手なことを言って……



「このまま連れて帰っちゃおうかなぁ。」



顔っ。まるで、猫にするみたいに頬をすりよせてきやがった。



「カリンと仲良くできるよね?」



完全に“猫扱い”してるよね?


こっちは、もうさっきから、心臓が壊れるんじゃないかってくらい、ドキドキしてるって言うのに。



「……可愛いなぁ。」



絶対に、狂ってる。


“王子様”なんて言われてるけど、本性はこれだよ?


絶対におかしいでしょ?





でも……


何せ、免疫のない私。


こんなことされたら、嫌でも“男”として意識せざるを得ない。


うー…もうっ。


どうしたらいいのかわかんないよっ。


ぎゅっと目を瞑った。


そんなとき。



「え……?」


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