黒猫*溺愛シンドローム




「でも、よかった。
くるみたちも、歩くんになら安心して任せられるよ。」



「え……?」



「なんてったって、“王子様”だもんね。」



嬉しそうに笑うくるみちゃん。


俺、認められた…のかな?喜ぶべき……?



「風歩ちゃんをモノにするのは大変だと思うけど、頑張って?

風歩ちゃんのことを知り尽くしてる、くるみと修ちゃんが全面的にバックアップするからっ。」



なんか、すごいことを言ってるよね?


ガッツポーズしてるし……



「くるみの夢はね、
3人で同じ日に結婚式をして、

近所に家を建てて、みんなで仲良く暮らすことなんだぁ。」



キラキラと瞳を輝かせるくるみちゃん。



「歩くんとなら、うまくやっていけると思うの。

だから、風歩ちゃんの相手は歩くんで決まり!」



だから、頑張ってね!そう言って、俺の手をがしっと掴むと、



「風歩ちゃんの弱点は、くるみがぜーんぶ教えてあげるからね。」



こそっと囁いた。


小悪魔チックな笑顔、で。


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